そして、更に年月が流れた……。
《とある島の屋敷》
小太りの男に連れられた、身なりのいい男の子と女の子が屋敷を訪れた。
主人 : 我が家になにか用ですかな?
サンチョ : はじめまして。私共は通りすがりの旅の者ですが。
サンチョは石像を見る。
サンチョ : それにしてもこれは立派な石像でございますね。
主人 : ………………。
サンチョ : どうでしょう? この石像を私共にお譲り願えませんか?
主人 : ふん! その石像ならタダでくれてやろう。さっさと持ってゆきなさい!
サンチョ : おお、そうですか! ではお言葉に甘えて……。さあカームベル様!
カームベル : はい、サンチョおじさん。この杖を使うのね。
ストロスの杖を使うと、なんと石像がラスネルに戻った!
主人 : うわ! 石像が人間になったぞ! あわわわわ……。
サンチョ : や、やはり王でございますね! さ、捜しましたぞ!
ラスネル : あれれ…確かベリンカを助けに行って、そして長い月日が経ったような経ってないような…。
サンチョ : わ、判りますか? ラスネル様!サンチョでございます!
ラスネル : ああ、サンチョだな。まあ昔からオッサンだとは思ったけど、顔にシワが増えて更に弛{たる}んだ気もするんだが。
サンチョ : おお! お気がつかれましたかっ! さあ坊ちゃん達、お父上ですぞ。
不思議な剣と盾を装備した赤毛の男の子が言う。
ラシーム : わー! あなたがボクのお父さんですね! ボク、お父さんの事いっぱいいっぱい捜したんだよ!
頭にカチューシャを巻いた赤毛の女の子が言う。
カームベル : はじめましてお父さん。私、カームベルです。この名前、お父さんがつけてくれたんですよね。
ラスネル : おわー、二人共、親に内緒でタイムスリップしたのか?
カームベル : ほーほほほ、タイムスリップしたというならば、お父さんの方よ。
ラスネル : わわっ、その笑い方はどこで覚えたんだ? 顔はベリンカの笑顔に似てるのに。
カームベル : 私にも判りません。ただ、お父さんの事はサンチョおじさんからいつも聞かされてました。そしてお母さんの事も……。
ラシーム : それから世界が大変だって事もね! ねえお父さん! ボク達と一緒に今度はお母さんを助けに行こうよ! それから悪い奴をやっつけて、ボク達が世界を救うんだよね!
ラスネル : そうだな。
ラシーム : お父さん、聞いて! お父さんが残していった天空の剣と盾。ボク、装備できたんだよ!
サンチョ : まあまあ、坊ちゃん達。そんなに一遍に色んな事を言われても。
ラスネル : 確かに混乱してきた。俺の子供達が親に内緒でタイムスリップして、装備できないラシームが裏技で天空の剣を装備したり、カームベルが変な笑い方を覚えたんだよな。
カームベル : ほーほほほ。
サンチョ : ここはひとまずグランバニアのお城に戻る事にしましょう。さあカームベル様。
カームベル : はい。ルーラ!
ラスネル : なぬっ、ルーラ?! まさか、男の子とエッチした後にトンズラしてるんじゃないだろうな。嫁入り前の娘が絶対に許さんぞっ。
カームベル : あっ…。

《グランバニア》
ラスネル王が戻ったという知らせは、その日の内に国中に知れ渡った。
人々はあるいは抱き合い、あるいは涙を流して王の帰りを喜び合った。
ラスネル王、万歳! グランバニア国挙げての祭りがこの夜晩くまで開かれ……そして夜が明けた……。

《寝室》
ラスネルはベッドにいる。
侍女 : おはようございます。昨夜は本当によくお休みでございましたね。さあ、オジロン様がお待ち兼ねでございますよ。

寝室部屋の外にはラシームとカームベルがいた。
ラシーム : お父さん! お母さんを捜しにゆくんでしょ! それで世界を滅ぼす悪い奴をやっつけにゆくんだよねっ! ねっ、ボク達も連れていってよ。
カームベル : 私、サンチョのおじさんから聞いたの。お父さんも私達くらいの頃、パパスお爺ちゃんに連れられ旅をしたって。
ラスネル : うーん。
カームベル : だから私達もお父さんについてゆくって決めちゃったんだ! あっ、お父さん待って! さあラシーム!
ラシーム : うん!

オジロン : お! 目が覚めたようだなラスネル王! ん? まさか、わしを忘れたのではあるまいな? わしじゃよオジロンじゃよ。まあ8年もの間、石になっていたのでは無理もないかも知れんが……。
ラスネル : 平凡な顔だから綺麗さっぱり忘れた。
オジロン : 石になっていても、口の悪さは健在のようだな。
ラスネル : はっはっは。
オジロン : ところで、ラスネル王。わしらはラスネル王を捜す内、偶然にもマーサ殿のふるさとを発見したのじゃ!
ラスネル : 母さんの?
オジロン : 先代のパパス王は、随分嫌われていたらしいが、それも昔の話。マーサ殿の子供のラスネルになら力になってくれるかも知れん。マーサ殿のふるさとは、確かこの辺りだったぞ!
オジロンは地図で示した。
サンチョ : このサンチョもお伴しますぞ!

子供達を連れたラスネルは母親の故郷であるエルヘブンを訪れた。
《エルヘブン》
ラスネル : ここが母さんの街か…。 ラシーム : ここが婆ちゃんの街か…。
長老A : よくぞ来ました。大いなるマーサの子ラスネルとその仲間達よ。そなたの来る事は判っていました。かつてはマーサを連れ出したパパス殿を、とても恨みに思ったものです。結婚前にマーサを抱いた上に妊娠させてしまっていたのが、それに拍車を掛けました。
ラスネル : それが俺か。別にいいじゃん。妊娠させた後、そのまま捨てていったわけじゃないし。
カームベル : ほーほほほ、そうね。ルーラを悪用した結婚前のお父さんじゃないんだから、大した事なくてよ。
ラスネル : おいおい、知ってるのかよ。誰に聞いたんだ?
カームベル : ほーほほほ。
長老A : しかし2人の子ラスネルには、なんの罪もありませんものね。少なくとも子供の頃は。
ラシーム : お、お父さんは青年時代は性犯罪者だったの…?
ラスネル : うううう…(事実だから何も言えない。どう説明した物か…。)
長老A : 今こそ全てを教えましょう。
ラスネル : やめてくれー。俺が悪かった。ヒカリに、コトコに、ミユキに、アカネに、ホムラに、カオリに、カエデコに、カスミに、ミホに、マホに、スミレに、マエカ…犯して悪かったよ…。
長老A : そうではなく、我々、エルヘブンの民の話です。
ラスネル : あはは…あっそ。それを早く言ってくれ。
サンチョ : 坊ちゃん…いや、王、ベリンカ様には黙っておきます…。
ラスネル : いいから、話を続けてくれ。
長老A : 太古の昔、神はこの世界を3つに分けたのです。神自身が住む天空界、人間達が住むこの世界、魔物らを封じた暗黒世界。そしてこの3つの世界が互いに交わる事のないよう門番を設けました。その門番を命じられたのが我々エルヘブンの民なのです。
長老B : 我々エルヘブンの民は門を閉める事も、そして開く事もできたと言われています。しかし、時が経つに連れてその能力は次第に奪われていったのです。
長老C : 私は感じる事ができます。開かれた門は年ごとにその開け口を大きくしています。このままではやがて巨大な魔界の王ですらこちらにやってくるでしょう。そうなる前にマーサ様を助け出し、開かれた門を再び封印するのです。大いなるマーサの子ラスネル、あなたにはその力があるはずです。
長老D : ラスネルの母上マーサ様は、我が民の太古の能力を特に強く宿しておられました。魔物らがマーサ様を攫ったのは暗黒世界の門を開かせるためでしょう。

扉の奥の長老 : なんと! そなたはマーサ殿の所縁{ゆかり}の者と申すか?
ラスネル : そうだ。
扉の奥の長老 : ならば、そなたに魔法の絨毯と鍵を与けよう! 2つ共この町にあるので、捜して持ってゆくがよい。そなたがマーサどのを助け出す事を期待しているぞよ。

《ラインハット》
ヘンリーとマリア、そしてその息子コリンズに会った。
ヘンリー : ラスネル、生きていたのか! お前がそう簡単にくたばるわけがないもんな。
ラスネル : おおっ、お前にも子供ができたようだな。
ヘンリー : コリンズっていうんだ。どうだ? 俺に似てるだろ?
ラスネル : ああ、俺に似てなくて良かった。
マリア : ぎくっ。
ヘンリー : わっはっは、お前に似てるわけがないだろ。でも性格は俺と反対だ。あまりにも手に追えなくてね。
コリンズ : おい、お前達、俺の子分にしてやるぞ。
ラシーム : えー? どうしようかな…。
カームベル : 100年早くてよ!
ラスネル : どうやら小さい頃のヘンリーと同じ性格だぞ。

《テルパドール・庭園》
女王アイシスに会う。
アイシス : ようこそいらっしゃいました。私がこの国の女王アイシスです。あら? あなたは前にもいらした事がありましたね。ラスネルさんでしたね。あれからあなたの事はずっと気になっていたのですよ。
ラスネル : 光栄です。私はあなたの乳が垂れていないか気になっていましたが、どうやらご無事でなによりです。
アイシス : 大きなお世話です。実は先日、天よりお告げがあったのです。伝説の勇者が現われる日が近い……と。
ラスネル : 伝説の勇者…。
アイシス : ところで……。そちらの男の子はあなたの息子さんですか?
ラスネル : ええ、タイムスリップした悪ガキですが。
アイシス : そうですか。お子さんがいらっしゃるとは、時が経つのは早いものです。お名前は?
ラスネル : ラスネルです。
アイシス : あなたではなく、息子さんです。
ラスネル : 息子の名前? それはちょっと諸事情が心配です。15禁と言っても良い子が紛れ込んでる可能性がありますし。
アイシス : あのですね「チ」や「ペ」が頭文字になる息子ではなくて、その坊やの事です。
ラスネル : あっ、次に「ン」や「ニ」の付く息子の話じゃないんですね。この子ならトンヌラです。
アイシス : そうですかトンヌラというのですね。ププッ。
ラシーム : 笑わないでよー。ボクはラシームだよー。
アイシス : そうですかラシームというのですね。……私、その子からなにかを感じます。とても強く……。
ラスネル : なにっ、8歳にして早くも女性を感じさせるとは、俺以上のスケコマシか!? まあ、俺とベリンカの子供だから、かなりエッチだろうが。
カームベル : お母さんもエッチなんだ…。
ラスネル : 乱れ方は凄いぞ…ってお前にはまだ早い! それに、結婚までは許さんぞ!
カームベル : ほーほほほ。
ラスネル : ともかくラシーム、その歳でオバさん趣味は感心できないな。
アイシス : 冗談ばかり言ってないで、その子を連れて私についてきてください!

《勇者の墓》
アイシス : ここに祭られているのが、我が国に代々伝わる天空の兜です。伝説の勇者であれば被る事ができるはずです。さあラシーム。その兜を被ってみてください!
ラシームは天空の兜を装備した。
アイシス : ああ……。なんという事でしょう……。とうとう……。伝説の勇者が私達の前に現われたのですね。ラシーム様……。世界を覆う闇を必ず拭い去ってください……。
ラシーム : うん!
アイシス : さあ、もう戻る事にしましょう。民にもこの事を早く知らせなければなりません。

《テルパドール・庭園》
アイシス : おお勇者ラシームよ、よくぞ参られました。まだ若いとはいえ、そなたには勇者としての使命が与えられたのです。その勇者としての力で世界を覆う闇を振り払ってください!
ラシーム : うん! ボク頑張る!
アイシス : 私達はこれ以上あなたがたをお助けする事ができませんが……。せめてあなたがたのご無事を祈らせてください。大いなる天空の神よ、主の御子たるこの者達に祝福を……。

《サラボナ》
ラスネル : ここがお前達のママとこの俺を取り合ったエローラさんという女性のいる町だ。エローラさんは元気かな?
街が騒がしかった。
ルドマン : 頼みましたぞ! 今まで以上に厳重な見張りを!! 何かあったらすぐに私に知らせるのです!
ラスネル : ちわっす、ルドマンさん。何事っすか?
ルドマン : なんとっ、ラスネルか! いつ戻ったのだ!? エローラは?! ベリンカさんは?! い、いや…積もる話は後にしよう。今は私の頼みだけ聞いてもらえないか?
ラスネル : 分かりました。
ルドマン : 町の北にある山奥の村の西の小島…いいかね? 町の北にある山奥の村の西の小島に小さなほこらがある。その中に古びた壺が一つ置いてあるはず……。その壺の色を見て来て欲しいのだ。おかしな頼みと思うだろうが頼んだぞ!
ラスネル : くっくっく…。
ルドマン : …本当におかしかったか?
ラスネル : ルドマンさんがちょっとハゲたみたいで、くっくっく。
ルドマン : 北西の小島のほこらの壺の色がもし赤かったら急いで戻るのだ! 間違いであってくれればよいのだが……。

ケーコド : ラスネル様。私…聞いてしまったのです。ご主人様の独り言を…。壺が赤く光る時、いにしえより奴が蘇る…って。広間の本棚にある古い日記のような物を調べていらした時でしたわ。ラスネル様。どうかご主人様を助けて差し上げてくださいまし。

北のほこらの壺は赤かった。
サラボナに戻る。

《サラボナ》
兵士 : おおっ、ラスネル殿。ルドマンさんは先程から見晴らしの塔でお待ちですぞ!
街の隣にある見晴らしの塔に登る。
《見晴らしの塔》
ルドマン : ラスネルご苦労だった。そうか…やはり赤色か。
ラスネル : まだ言ってないけど。
ルドマン : その顔を見れば、占い師じゃない私でも壺の色は当てられるさ。もう時間がないようだ。さっ、こっちへ!
見晴台に来た。
ルドマン : いいかねラスネル。壺の中の悪魔がもうすぐ蘇るのだ。150年前、私のひいひいひいひい…ひいひい爺さん。
ラスネル : ほっ。ひいひい言うから何を言い出すか不安だったけど、爺さんの話ね。
ルドマン : 要するに私のご先祖様のルドルフが奴を壺に封じ込めた込めたんだが…。その効き目がそろそろ終わるらしい。恐らく奴は憎い血を引くこの私を狙って来る。もちろん、その後サラボナをも滅ぼすだろう。私は家に戻り闘いの支度をしてこよう。ラスネル! 暫くの間ここを頼んだぞ!
ルドマンが去って暫くすると、地響きと共にブオーンが現れた。
ブオーン : ブウウーイッ、まったくよく寝たわい。さて……。ルドルフはどこだ。隠すとためにならんぞ。まあよいわ。体慣らしにキサマらから血祭りに上げてやるわ!
ブオーンとの戦闘が始まった。

倒して、最後の鍵を手に入れた。
こうして壺の中の悪魔を倒したラスネル達は、ルドマンの屋敷へ知らせに行った。

《ルドマンの屋敷》
ルドマン : わっはっは。やあ、愉快愉快! わたしが支度している間に倒してしまうとはな! 流石はラスネル! やあ、愉快愉快! ますますラスネルの事を気に入ってしまったわい! これから先も親子で力を合わせ頑張るのだぞ、ラスネルよ!

ラスネル : 結局エローラさんには会えなかったな。もう、結婚してて当然なのはともかく、養子を貰っていると思ったけど、嫁いだのかも知れない。

《天空の塔》
ラシーム : 天空の塔にやって来たが、かなり崩れている…。

天空男 : なんと、この荒れた塔をここまで登ってくる者がおったとは! かつてはこの塔から天空の城に行けたものだが、今はこの有り様……。天空の城も今では湖の底じゃ! もしそれでも行きたいと言うなら、そこのマグマの杖を持ってゆくがよい。その杖を使えば、洞窟を塞ぐ岩をも溶かす事ができようぞ!

湖に沈む天空城の前には洞窟があった。マグマの杖を使い、道を開ける。
《トロッコ洞窟》
トロッコの線路をくるくる回る男がいた。
スイッチを切り替えると、男は開放された。
プサン : どなたかは知りませんが、ありがとうございました。うっかり乗ってしまい、かれこれ20年以上は回っていたでしょうか……。
ラスネル : はっはっは、ジョークの下手な人ですね。
プサン : いやー、参った参った。あっ、申し遅れました。私はプサン。信じられないでしょうが、かつて天空の民だった者です。
ラスネル : 天空の…。
プサン : お見受けした所、あなたがたも天空の城に向かっていますね。
カームベル : その通りよ。
プサン : よろしい! 私もお伴しましょう! 人数は多い方が心強いですからね。わっはっはっ。では、参りましょうか!

《湖に沈む天空の城》
プサン : いやー、ひどいもんですね。湖に沈んだだけあって、城中、水浸しみたいですよ。でもこの城がなぜ天空から落ちてしまったのでしょうか……。

《天空の城・王座》
ラスネル : 大きな王座だ。
ラシーム : ここに座るのは人間じゃないみたいだよ。
プサン : やはりここにも誰もいないようですね。あっ、そうそう。確か、玉座の後ろに秘密の階段があったはずですが……。

《天空の城・制御室》
プサン : やや! これは一体! ここにあったはずのゴールドオーブがなくなっているではありませんか! むっ! この穴は……。確か大昔、邪悪なる者の復活する時に開けた穴……。そうか……。ゴールドオーブはこの穴から……。
ラスネル : 落ちたわけだな。
プサン : そしてオーブ一つでは支え切れずに、やがてこの城も……。
ラスネル : 墜ちたわけだな。
プサン : これでこの城が天より墜ちてしまった理由が判りました。しかしゴールドオーブは一体どこに行ったのでしょうか……。あの、ラスネルさんも、ラシームさんも自分の股間を指差さないでください。
ラスネル : わっはっは。息子までこれとは、ちょっと教育し直さないとな。
カームベル : んもう、恥ずかしいったらありゃしない…。
プサン : 幸い、この台にはまだオーブのオーラが微かに残っているようです。そのオーラを追って、オーブの行方を瞑想してみましょう。その瞑想で得た風景は、あなたがたにも伝わるはずです。

《瞑想の風景・天空城》
ゴールドオーブは天空の城から落ちる。

《瞑想の風景・レヌール城・墓場前》
幼い頃のラスネルとベリンカがいる。
ベリンカ : よかったわね。これからは二人幸せに眠り続けるはずよ。
ラスネル : 僕もベリンカと裸で二人で眠り続けたい。
ベリンカ : えっ?
ラスネル : やっぱり、眠り続けるのはやだ。起きたまま裸の方がいい。
ベリンカ : でもゴースト達は、なんでこのお城を……?
キラッ
ゴールドオーブが落ちてきた。
ベリンカ : あら? なにかしら。綺麗な宝石ね。きっとお礼よ。ねえ、持ってゆきましょう。
ラスネル : ふーん、金の玉だ。
ベリンカ : ダメッ、その言葉。金の珠って言って。

《瞑想の風景・サンタローズ・教会の前》
青年 : うん? 坊やは素敵な宝石を持っているな。その宝石をちょっと見せてくれないか?
ラスネル : やだ。
青年 : そんな事言わずに、女の子の体の事を教えてあげるから。君は特にベリンカという赤毛の女の子の事を知りたいんじゃないのかい?
ラスネル : うん、ベリンカの体を知りたい。
青年 : ははは、その子なら任せろ。ただし、もっと胸とか大きくなってからの話だぞ。あの子はいいぞー。

青年 : まあ、分からない事はこのノートに全て書いてある。徐々に覚えていくんだね。その頃には、ふふふ…。
ゴールドオーブを男は手に取って見定める。
青年 : 本当にきれいな宝石だね。はい、ありがとう。坊や、お父さんを大切にしてあげるんだよ。もうあまり時間がないようだし…。

《瞑想の風景・ラインハット城》
ヘンリー : オレはこの国の王子。王様の次に偉いんだ。オレの子分にしてやろうか?

《瞑想の風景・遺跡の洞窟》
パパス : ぬわわーっっ!!
パパスの体は燃えて、死んでしまった!
ゲマ : ほっほっほっほっ。子を思う親の気持ちはいつ見てもいい物ですね。しかし心配は要りません。お前の息子は我が教祖様の奴隷として一生幸せに暮らす事でしょう。ほっほっほっほっ。
ゲマ : ジャミ! ゴンズ! この子供達を運び出しなさい。
ジャミ : ゲマ様、このキラーパンサーの子は?
ゲマ : 捨てておきなさい。野に帰ればやがてその魔性を取り戻すはず。うん? 待ちなさい。この子供は不思議な宝石を持っていますね。
ゲマはゴールドオーブを取り上げた。
ゲマ : この宝石はもしや…? どちらにしろこうしておくとしましょう。
パキーン!

《天空城》
プサン : なんという事でしょう! オーブは既に壊されていたようです。もはやこの城は二度と天空には……。いや! ちょっと待ってください! 確か伝説では2つのオーブは、妖精達の祖先が作ったと言われています。妖精の女王に頼めば、また作ってくれるかも知れませんね。世界のどこかに妖精の村に通じる森があると聞いた事があります。
ラシーム : 物知りだねおじさん。
プサン : 私はここで待っています。頼みましたよラスネル!

《妖精の森》
ラシーム : あれ? 父さん、焚き火の所に誰かいるよ。
ラスネル : ん? 俺には見えんが。
ラシーム : 待って! キミは誰なの?
妖精 : え? あなたには私の姿が見えるの?
ラシーム : うん!
妖精 : ふーん。で、私になにか用かしら?
ラシーム : ボク達、妖精の村に行きたいんだけど。
妖精 : ……………。分かったわ。悪い人じゃなさそうだし。案内してあげる。こっちよ。
ラシーム : 父さん。こっちだって。ついてきて。

《妖精の村》
ポワン : まあ、もしかしてラスネル! なんて懐かしいでしょう。
カーム : 私の事も覚えてる?
ラスネル : 相変わらずパンツ虹色なんだね。
カーム : 虹の妖精だから。
ポワン : あの時は本当に世話になりましたね。それで今日は私になにか用なのですか?
ラスネル : ああ、頼みたい事がある。
ポワン : そうですか。どうやら約束を果たす時が来たようですね。ラスネル、このホルンを持ってゆきなさい。私達、妖精国の女王がきっと力になってくれるでしょう。
妖精のホルンを手に入れた。

ラスネル達は妖精の村を後にし、大きな湖を訪れた。
妖精のホルンを使うと、城が現れた。
《妖精の城》
女王 : よくぞ参られました。話は既にポワンから聞いております。
ラシーム : 妖精100匹を僕の子分にする話だよね。僕は女の子の妖精がいいなー。
女王 : …。
ラスネル : はっはっは、オーブの話をどうぞ。
女王 : 確かに天空の城にあった2つのオーブは、私達妖精の祖先が作った物です。しかしもはや私達には同じ物を作る事はできません。
妖精の女王は光る玉を出した。
女王 : これをご覧なさい。実は作ろうとしたのです。しかし形は似ていますがこのオーブには天空の城を浮上させる程の魔力はどうしてもありませんでした。でもラスネル。あなたならできるかも知れません。このオーブをラスネルに差し上げましょう。
光るオーブを手に入れた。

《時を越える絵の前》
妖精 : あなたなら過去を変える事ができるかも知れません。ほんの些細な過去ならば。
ラスネルは絵に吸い込まれた。

《20年前のサンタローズ》
ラスネルは教会を訪れた。
シスター : きゃっ、素敵な人。あら、私とした事が、何を言ってるのかしら…。何もない村ですがゆっくりしていってくださいね。ぽっ。
ラスネル : はぁはぁ、シスターがいるじゃないか…。
シスター : あーれー!

ラスネル : ふぅ、ベリンカに子供ができてから溜まってたんで、久々にやっちゃった…。でもここは過去の世界、全ては有耶無耶に消えるはず…。

パパスに会った。
パパス : ん? 誰かは知らんが、わしになにか用かな?
ラスネル : 父さん…。
パパス : なんだって!? お主がわしの息子? わっはっはっはっ! わしの子供は後にも先にもラスネル一人だけだ! マーサ以外の女は全て避妊したからな。
ラスネル : へー、父さんは避妊が上手かったんだ。俺は妊娠させるのが得意なんだ。正妻の子供以外は、自分の子供を誰一人見たことないけど。
パパス : 妊娠させるのが得意? わっはっは、若いな。ちゃんとゴムを着けるかフィニッシュ時に抜かないと。
ラスネル : 父さんはそれでいいかも知れないけど、そのフィニッシュじゃ気持ち良さが半減だからやだな。
パパス : まだ父さんと言うか? 第一、7年前に誘われて抱いてしまったマーサが初めての女なのだから、お主のような年の子がいるはずもあるまい。
パパスと別れた。
ラスネル : …やっぱり駄目か。

ラスネル : 確かここで幼い頃の俺に会って、オーブを摩り替えるんだったな。そしてノートを書き写して渡さないと…。掠れちゃって読めない…でも、俺はここを埋めることができる。そう、なぜなら俺が経験したことだからだ。

幼い頃のラスネルに会った。
幼ラスネル : あっ、お兄さんの事だね、教会のお姉さんがいってたエッチだけど素敵な人って。
ラスネル : はっはっは。うん? 坊やは素敵な宝石を持っているな。その宝石をちょっと見せてくれないか?
幼ラスネル : やだ。
ラスネル : そんな事言わずに、女の子の体の事を教えてあげるから。君は特にベリンカという赤毛の女の子の事を知りたいんじゃないのかい?
幼ラスネル : うん、ベリンカの体を知りたい。
ラスネル : ははは、その子なら任せろ。ただし、もっと胸とか大きくなってからの話だぞ。あの子はいいぞー。
ラスネルはベリンカの体の隅々までの愛撫の方法を伝授した。
ラスネル : これでベリンカは大満足さ。口を開けてヨダレを垂らしまくるだろう。また、彼女の下半身は諸事情により謎に包まれた状態になる。
幼ラスネル : ふーん。
ラスネル : 今のを参考に、他の女の子にもやってみるんだ。
新たに書き写したノートを出した。
ラスネル : まあ、分からない事はこのノートに全て書いてある。徐々に覚えていくんだね。その頃には、ふふふ…。
ゴールドオーブを渡されたラスネルは、光るオーブと摩り替えた。
ラスネル : 本当に綺麗な宝石だね。はい、ありがとう。坊や、お父さんを大切にしてあげるんだよ。もうあまり時間がないようだし…。
幼ラスネル : うん。どんなに辛い事があっても僕は負けないよ。パパがカツラだとショックだけど、カツラじゃないの確かめたし。さあ、行くよ、プックル。
幼いラスネルは小さな足で去った。
ラスネル : あっ、避妊の方法を教えてやるの忘れた…。だから今の俺みたいになったわけだな、はっはっは!

《エルヘブン・絵の前》
ラスネルは現世界へ戻った。
カームベル : お父さん、どうだった?
ラスネル : この通り、ゴールドオーブを手に入れて来たぜ。
カームベル : 流石はこの私のお父さんね、ほーほほほ。

《天空の城》
プサン : おお! オーブを持ってきてくれたのですね! このオーブを台の上に戻して……。さあこれでいいはずです! さあ私について来てください。

《操縦席》
プサン : いよいよこの城が再び天空に昇る時がやってきました! ラスネル! 全てあなたのお蔭ですね! さあ見ていてください!

天空の城は湖から浮上した。
プサン : ふむ……。思った程高く上がらなかったみたいですね……。まあいいでしょう! 後はあなた達にお任せします。水も引いたみたいだし私は城の様子を見てくる事にしましょう。ではまた後で。

老人 : なんと! この城が浮上したとっ!? それはめでたい! 後は竜の神様マスタードラゴンの復活を待つばかりじゃわい! マスタードラゴンは北東の島ボブルの塔にその能力を封印したそうじゃ。そこのタンスの中身を持ってゆきなされ。役にたつかも知れんぞ。
フック付きロープを手に入れた。

《ボブルの塔》
塔の地下へ進む。

ゴンズ : なんだお前? そうか。ゲマ様が言ってたラスネルとはお前達の事だな! ゲマ様の手を煩わす事もあるまい。ここで死ねっ!

ゴンズとの戦闘が始まった。

倒した。
ラスネル : こいつ、どこか出会ったような…。

更に進むと、怪しげな魔導師がいた。
ゲマ : ほっほっほっほっ。ここで待っていれば来ると思っていました。私の事を覚えていますか?
ラスネル : まさか父さんを殺した…。
ゲマ : ほっほっほっほっ。そんな事はどちらでもいいでしょう。ともかくあの時、ラスネルを殺さなかったのは私の大きなミスでした。しかし同じミスは二度とはしません。あの時、私が焼き殺し灰にしてあげたラスネルの父のようにお前達もここで楽にしてあげましょう。ほっほっほっほっ。
ゲマとの戦闘が始まった。

倒した。
ゲマ : こ、この私が負けるとは……。教祖様、万歳! ほっほっほっほっ。ぐふっ!
ラスネル : …これで仇を取ったか、しかし教団とは…。

マスタードラゴンの能力の宿るドラゴンオーブを手に入れた。

《天空の城》
天空人A : ややラスネル殿。いい所に来てくれました。実はこの城に怪しい男が潜んでいたのです。
プサンが捕まっていた。
天空人B : プサンとかいったな! お前は何者なんだっ!? 我々天空の民にはプサンなどという名前の者はいなかったぞっ。
プサン : 待っていましたラスネル。ドラゴンオーブを持ってきてくれたのですね。やはりあなたがたは私の思った通り、知恵と勇気を兼ね備えた人達です。さあ、そのオーブを私に貸してくれませんか?
ラスネル : 利子を付けて返してくれるならな。
プサン : ありがとうございます。なにやら全身に力が漲ってくるようです。
プサンは消え、大きな竜が現れた。
天空人 : ま、ま、まさか、そんな……。! マ、マスタードラゴン!
Mドラゴン : 我が名はマスタードラゴン。世界の総てを統治する者なり……。
ラスネル : プサンのオッサンはマスタードラゴンだったのか…。
Mドラゴン : よくぞ来たな。伝説の勇者の血を引きし一族達よ。私が人として暮らす間に再び世界の平和が破られてしまったらしい。
ラスネル : そして女の子達の@@@までも破られてしまった。
Mドラゴン : 魔界の門が大きく開けられ、魔界の王がこちらの世界に来ようとしているのだ。
ラスネル : 女の子達の@@@が大きく開けられ、ピイ〜。ありゃりゃ、ついに伏せ音になっちゃった。
Mドラゴン : しかしそなた達ならそれを食い止められるかも知れん!
ラスネル : いやー、俺は途中で止めるの苦手でそのままスブッと…。
Mドラゴン : もちろん私も力を貸そう! これを持ってゆくがよい。
天空のベルを入手した。
カームベル : 私に相応しくてよ、ほーほほほ。
Mドラゴン : それを使えばいつでも呼び出せるだろう。
ラスネル : マスタードラゴンが寝てる時とかマスターベー@ョンの時に使うんだぞ。
カームベル : はい、お父さん。
Mドラゴン : こらこら、私はどちらも行わない。
カームベル : ほーほほほ。

マスタードラゴンに乗り移動する。
天にも届きそうな岩山の頂上に大神殿があった。
ラスネル : ここが教団の本拠地だろう。潜入してみるぜ。

《大神殿・地下》
天空の鎧を見つけた。
ラシーム : これで天空の武器がコンプだね。

《大神殿入口》
兵士 : 何をウロウロしているのだ。教祖様のお祈りが既に始まっているぞ。さあ早く中に入らぬかっ!
神殿では教団の使徒や奴隷達で埋め尽されていた。
ラスネル : (あっ、あれはベリンカ!)
ショーツ一枚で石像となっていたベリンカが祭壇にあった。
ラスネル : うー、みんなの前にオッパイ晒しちゃって…まあパンツ穿いてるのがせめてもの救いか。
兵士 : お前、どうも様子がおかしいぞ。ここにいる人間達はみな魂を抜かれているはず。しかしお前はまるで……。
ラスネル : ふっ、始末してやる。
兵士 : ぬぬ! 怪しい奴め! どうやってここまで来たっ!?
竜戦士が襲ってきた。

倒した。

司祭らしき衣装を身に着けた女が現れた。
司祭 : 我が名はマーサ、大教祖イブール様に代わりこの神殿を治めている者です。ラスネルですね。既に気づいているでしょうが私はあなたの母親です。
ラスネル : 母さん!
ラスネルは司祭に駆け寄った。
司祭 : ラスネル……。随分逞しく成長しましたね……。パパス以上の精力を持っているようです。母はどんなにあなたに会いたかった事でしょうか……。
ラスネル : 俺も会いたかったよ…。
司祭 : 思えばあなたの父パパスは本当につまらない男でした。
ラスネル : (どうしたんだよ、母さん? 急に父さんを馬鹿にするなんて…。)
司祭 : そういえばこんな事もありました。その話を聞きたいですか?
ラスネル : …うん。
司祭 : パパスはエルヘブンで暮らす私を下手なナンパで誘い出し、無理矢理処女を奪いました。そして私を強引にグランバニアに連れていきました。それからもパパスは私を満足させると言い、色々と恥ずかしい体位を試そうとしましたが、いつも2秒でイッてしまい私は白けるだけでした。そして…。
ラスネル : もう聞きたくない!
司祭 : そうですね、あんな男の事など話しても仕方のない事。ところで…。この母と共にあなたも大司祭イブール様にお仕えすると約束してくれますか?
ラスネル : それはできない…。
司祭 : ではどうしてもイブール様に逆らうと……。この母と戦う事になってもいいというのですか?
ラスネル : うぐ…何かがおかしい。そんなんじゃ、戦う事になるかも知れない。
司祭 : どうしてそんな事を……。まさか、この母を母とも思わぬと言うのですか?
ラスネル : そうだ!(カマをかけてみたぜ。)
司祭 : くくく……。くはくはくは……。わっはっはっはっはっ! よくぞ見破った! そうとも! お前の母など既にこの世界にはおらぬわ!
ラスネル : なにぃ?!
司祭が正体を現した。一つ目の巨人だった。
ラマダ : オレ様はイブール様にお仕えする神官ラマダ! ここにいる人間共のようにお前達の魂も抜き取ってくれるわっ!
ラマダとの戦闘が始まった。
ラスネル : よくも騙したな! 食らえ!

倒した。

ラマダ : こ、このオレ様が敗られるとは……。し、しかしたとえお前達でもイブール様には敵うまい……。イブール様万歳! ぐふっ!
奴隷達が正気に戻る。
信者達 : わーわー、なんだなんだ? なにがあったんだっ!?
信者達 : わーわーわー。
ヒナッタ : はっ、私は今まで何をしてたの…。あっ…あなたは昔私の家にあった守り神によく似ています…。いえ、なんでもないです…。

ラスネル : イブールはどこにいるのか…やっぱり、ここは俺が奴隷として働いていた場所に違いないな。とすると、祭壇には隠し階段があるはず…。

隠し階段を降りた。
ラスネル : (おおっ、ここは昔のままだな。確か、この辺に女の子を追い詰めて無理矢理エッチしたんだ。子供達の前ではとても言えないがな。)

《神殿地下奥》
怪しげな祭壇があった。
イブール : ほほう。ここまでやって来たとは……。その様子ではどうやら、わしの一番の片腕ラマダを倒してくれたようだな。わしの苦労のかいもなく伝説の勇者などというタワケ者も生まれたらしい。ここまでは、神の筋書き通りというわけか……。しかしそれもこれもここでお仕舞いじゃ。これより先の歴史はこのわしが作ってやろう。さあ来るがよい。伝説の勇者とやらのその一族の者達よっ!
イブールとの戦闘が始まった。
ラスネル : こいつは強いぞ! みんな、気をつけろ!

倒した。
イブール : こ、これが……こうなる事が……運命だったというのか……。全ては我らが神・大魔王ミルドラース様の予言通り!
ラスネル : なら、さっき「これより先の歴史はこのわしが作ってやろう。」とか言うんじゃないぞ、コラッ。
イブール : ラスネルよ。お前の母は暗黒の世界ミルドラース様のもとにいる。母を助けたくば魔界に行くがよい。しかしそこでお前とその一族は滅びる事になるのだ。今このわしが魔界への道を通じさせてやろう。大魔王ミルドラースよ! このわしに最後の力を与えたまえ!
しかし、別のエネルギーにより打ち消された!
イブール : そ、そんな……バ、バカな……。ぐふっ!
命のリングを手に入れた。

神殿を出ようとする。
先程イブールの力を打ち消した者の優しい声が、命のリングから聴こえる。
マーサ : ラスネル……。ラスネル……。わたしの名はマーサ。ラスネル……。私の声が聴こえますか?
ラスネル : 全然聴こえない、母さん。
マーサ : そんな台詞が出るという事は…。ああ! 私の……この母の声が聴こえるのですねっ!
ラスネル : うん。
マーサ : ラスネル。大きくなったお前の姿を、この母はどんなに見たい事でしょう!
ラスネル : えー! それは恥ずかしいよ。ベリンカ以外の身内に見られるのはちょっと…。
マーサ : しかしそれは願ってはいけない事。
ラスネル : うん、その方がいいよ。
マーサ : ラスネル……。魔界に来てはなりません。伝説の勇者といえども魔界にいる大魔王にはとても敵わないでしょう。ラスネル、お前には既に物凄くエッチな事でも受け入れてくれるキュートな奥さんと、可愛い子供達がいると聞きました。
ラスネル : えっ…誰から聞いたのさ…。
マーサ : 夫婦生活については魔界の噂です…。母はどんなに恥ずかしかったでしょうか。はぁはぁ…。ともかく、この母の事など忘れて家族仲良く暮らすのです。もはや、私を捜す事に意味はないのではありませんか?
ラスネル : (父さんが果たせなかった俺の目標でもあるし、魔界の噂も気になる…。)
マーサ : 母はこの命に替えてもミルドラースをそちらの世界に行かせません。さあ、もうおゆきなさい。すぐそこにキュートな人が待っているはず。さようならラスネル……。
母の声は消えた。

なんと、石像の周りを優しい光が包んでいた。
ベリンカ : ここは、どこかしら…? 私ったら今まで何を……? きゃっ、私ぃ、ショーツ一枚だった。
ラシームとカームベルが駆け寄る。
ベリンカ : あら! あなた達は!?
ラシーム : ここじゃなくて、もっと落ち着いた場所で。
カームベル : ルーラ!

《グランバニア》
ベリンカ : そう……。私ったら8年以上も石にされてたのね……。しかもこんな格好で…。
ラスネル : 石像のベリンカも良かったぜ。ただ、触っても硬いのが残念だったけど。
ベリンカ : ラスネルゥ、助けてくれて、どうもありがとう。私、私ぃ…。
ベリンカはラスネルに抱き着いた。
ラスネル : ふぁあ、久し振りにベリンカの匂い。
ベリンカ : それからラシーム、カームベル……。今までほっておいて本当にごめんね。
ラシーム : お母さーん! カームベル : お母さーん!
ラシームとカームベルはベリンカにくっついた。
ラシームはベリンカの乳首を咥えた。
ベリンカ : あん、胸に吸い付いちゃうの? そうよね、あなた達にはミルクも与えてあげられなかったよね。
ラシームはベリンカのミルクを吸う。
ラスネル : ミルクが出る時に石になったから、今でも出るわけね。
ラシーム : ちゅうちゅう…あれー? なんか変だなぁ。こんな味だったかなぁ?
それを聞いたカームベルも吸い付いた。
カームベル : ちうちう…うーん、私が昔飲んだのと違う気がする。
ベリンカ : じゃあ、誰かがあなた達に飲ませてくれた人がいたのね。誰かなぁ?
ラスネル : 俺も石だったから知らないな。それより俺もベリンカのオッパイを飲みたい…。
ベリンカ : きゃん。
兵士が現れた。
兵士 : ラスネル王。畏れ入りますが、オジロン王がお呼びです。ややっ、飛んだ最中に失礼しました!
ラスネルはベリンカの乳首に吸い付いた所だった。
ベリンカ : ラスネル。気にしないで行ってあげて。だってこれからはずっと一緒にいられるんですもの。愛してるわ、ラスネル。

《王の間》
オジロン : おお、ラスネル王! 親子水入らずの所をお呼び立てして本当に申し訳ないのじゃが……。
ラスネル : 顔に掛かっているのは水じゃなくてミルクなんだけど。
オジロン : ラスネル王に、どうしても訊いておきたい事があってな。
ラスネル : ベリンカのミルクがどんな味かってか? なんつーか、ベリンカの匂いが強烈だったよ。まあ、大人の飲むもんじゃないな。
オジロン : そうではなくて、ずばり申そう! ラスネル王は暗黒の世界にゆかれるおつもりか?
ラスネル : …そのつもりだ。
オジロン : それはなりませぬぞ! 命のリングからのマーサ様の言葉、このわしも人伝{ひとづて}に聞き申した。どうかマーサ様を信じて、お考えを改めますように。
ラスネルの妻子が来た。
ラシーム : 行こうよ、そして悪い奴をやっつけようよ。僕はそのために生まれてきたと思うんだ。
カームベル : 私もお婆ちゃんに会ってみたいなぁ…。
ベリンカ : ラスネル、あなたの行く所ならば、私はついていくだけよ。だって一緒にいるって約束したんだもの。
男が現れた。エローラと冒険していたアンディである。
ラスネル : おおっ、アンディだったけ? 久し振りだな。
アンディ : 暗黒の世界に行く前に、キミ…いや、ラスネル王にやっていただきたい事があります。
ラスネル : 言ってみな。
アンディ : エローラさんを覚えていますね?
ラスネル : ああ、ベリンカとを俺を取り合った女性だろ? 元気か?
アンディ : …今は大神殿に。僕は7年間そこにいて、ようやく解放されたのです。でも一緒にいたエローラさんは…。
ラスネル : 大神殿…イブールを倒したから、みんな自分の家とかに帰ったんじゃないのか?なぜかあんなに上空の神殿から。でも、エローラさんはどうしてまだ大神殿にいるんだ?
アンディ : 大教祖の魔力により、クリスタルの中に閉じ込められているからです。
ラスネル : 大教祖のイブールは倒したはずでしょ?
アンディ : そのようですが、クリスタルが残ってしまいました。
ラスネル : よし、とにかく行ってみよう。
カームベル : 来て! マスタードラゴン!

マスタードラゴンに乗り、再び大神殿を訪れた。

《大神殿》

エローラとリリアンはクリスタルの中に閉じ込められていた。
ラスネル : おおっ、エローラさんが裸でクリスタルに閉じ込められているぞ!
ベリンカ : 綺麗ね…。
エローラは目を閉じ、全く動かない。
ラスネル : ふふふ、エローラさんの身体を見るのは9年振りかな。
ベリンカ : ?!
ラスネル : もちろん、エローラさんの裸じゃなくて服を着た姿をだぜ。
アンディ : 僕と彼女は7年前にこの大神殿に来ました。ベリンカさんに似た石像があると聞いたからです。しかし、僕達は捕まってしまい。僕は奴隷として生活し、彼女はイブールに気に入られ、クリスタルに閉じ込められました。
ラスネル : そう言えば、エローラさんは若々しいままだな。
アンディ : クリスタルから解放されれば、恐らくエローラさんは生き返るはず。
ラスネル : それにしても彼女の身体は芸術だ…。このままグランバニアに持って帰って飾ろうかな。
ベリンカ : !!! アンディ : !!!
ラスネル : ジョークだよ。いつもの俺のように一流じゃなかったけどな。
ラシームは見取れていた。
ラシーム : ぽけー。
ベリンカ : こらっ、見ちゃ駄目よ。女の人の裸を見てると、ラスネルみたいにエッチになっちゃうんだから。
ラスネル : いいじゃないか、そのお蔭で可愛い子供ができたんだから。
ベリンカ : それもそうだけど…。
ラシーム : 僕、この人をずっと前に見た気がするよ。
カームベル : 私にもそんな記憶がある。あの胸の形、覚えてる…。
ベリンカ : えー、どうしてー?
ラスネル : とにかく、このクリスタルを解かないとな。
カームベル : ストロスの杖で大丈夫だと思います。
カームベルがストロスの杖を使うと、エローラを包むクリスタルが消え去った。
エローラ : …ラスネル君、ベリンカさん、アンディ…。
ラスネル : 助けに来たぜ、エローラさん。
エローラ : …ありがとう。あなたが助けに来てくれると信じていたわ…。
アンディは目を逸らす。
エローラ : 嫌だ、私ったら何も着てないじゃない、なにか着る物はなくて?
ベリンカ : あんまりラスネルに身体を見せつけないで!
エローラ : 私はラスネル君に対して遠慮はなくてよ。
ラスネル : ベリンカ、キミの替えの下着とかないか?
エローラ : ほーほっほっほ、ベリンカさんのブラジャーなんて小さ過ぎましてよ。
アンディ : パンツだけですが、僕が買ってきました。
エローラは身に着けるが…。
エローラ : …毛糸のパンツじゃない! 私には似合わなくてよ!
カームベル : ほーほほほ。
エローラ : …もしかして、この子達は!?
ラスネル : 俺達の子供さ。
エローラ : ラシーム、カームベル、久し振りね。こんなに大きくなってるなんて。
ラシーム : ? カームベル : ?
アンディ : エローラさんは二人の…。
エローラ : 私から言わせてもらいましてよ。この二人が産まれた後、二人にミルクを飲ませて育てたのは、他ならぬこの私…エローラよ。
ラスネル : おおっ! ベリンカ : ええっ!

《エローラの回想・グランバニアの寝室》
ベリンカがいなくなり、泣き喚く赤ん坊の前にエローラが現れた。
エローラ : 二人はおながが空いていましてよ。
サンチョ : 何者?!
エローラ : 私はサラボナのルドマンの娘エローラ。先日、私はおなかの子を亡くしました。しかし、私からは母乳が出ます。どうかお二人に私の乳を飲ませてあげてください。私の愛するラスネル様の子供のために。
オジロン : …よかろう。そなたは乳母として二人の面倒を見るがいい。
エローラは二人に母乳を与える。二人はおとなしくなり、エローラから母乳を吸った。
エローラ : 私の美しい胸を見たり、栄養万点できらめくようなミルクを飲みたそうな顔をしていないで、出て行ってくださるかしら?
サンチョ : これは失礼。

一年後
エローラ : ふぅ、最近はミルク以外も口にできるようになったわ。これからは離乳食を作ってあげましてよ。
乳離れし出したラシームとカームベルに、エローラは離乳食を作る。
アンディ : エローラさん! ベリンカ王妃らしき石像が、とある場所にあるという噂を聞きました!
エローラ : なんですって!
アンディ : 行きますか!?
エローラ : そうね、ラスネル君の子供はもう母乳が要らない。私がいなくても他の人が見てくれる…。
エローラは子供二人に別れを言うと、アンディとリリアンと共にグランバニアを発った。

《現在・大神殿》
ラシーム : そうだったんだ…。
カームベル : 納得しました。
エローラ : 私の美しいミルクは美味しかったかしら?
カームベル : 美味しくてよ、ほーほほほ。
ラシームは胸に吸い付いた。
ラシーム : ちゅうちゅう…
エローラ : あら、もう出なくてよ。
ラシーム : ちゅうちゅう…なーんだ。
エローラ : ふふん、ラシームは私の胸にこんな事をした二人目の男ね。
ラスネル : きっと一人目はアンディかルドマンさんだろう、はっはっは。
ベリンカ : でもありがとう、私の代わりにミルクを飲ませてくれて。
エローラ : ラスネル君の子供だから…。
ベリンカ : でもミルクが出たって事は、あなたも妊娠してたの?
ラスネル : うっ、そう言われれば、エローラさんは妊娠してたわけだな。
エローラ : …私の子は死んだわ。
ベリンカ : ご、ごめんなさい。
エローラは何か言いたげにラスネルを見つめる。
ラスネル : (ま、まさか…俺の?)
エローラ : そろそろ、落ち着いた場所に戻ってくださる?
カームベル : ルーラ!

《グランバニア》
ベリンカ : さあ、ラシームにカームベル、お風呂に入りましょ。
ラシーム : うん。 カームベル : えへへ。
ベリンカと子供二人はお風呂に向かった。
バキッ
ラスネル : ぐはっ!
なんとアンディがラスネルを殴った。
エローラ : アンディ、おやめなさい!
アンディ : 一度君を殴りたかったんだ…。
ラスネル : …。
アンディ : エローラさんの子供、いや、キミとエローラさんの子供は、キミのせいで死んだんだから。
ラスネル : なに!?
エローラ : アンディ、もうやめなさい…。
アンディ : 僕は見ていたよ。王家の証を取りに行った帰りに現れたならず者カンダタの攻撃、キミはダメージを受けたにせよ何とかできたはずだ。しかし、エローラさんがキミを庇った事を知り、キミは何もしなかった! いや、むしろ盾代わりに使用した!
ラスネル : まさか、鞭の女はエローラさん! すると、ピエロは…。
アンディはピエロの鼻を着けた。
ラスネル : うっ…。俺だってエローラさんと判っていれば、エローラさんを盾代わりにはしなかったさ。
エローラ : もういいの、私はラスネル君の子供達二人を育てられたのだから。
ラスネル : 済みません、エローラさん…。
エローラ : その代わりにお願いがありましてよ。
ラスネル : お願い?
エローラ : 暗黒の世界、私もご一緒させていただくわ。ベリンカさんが何を言ってもよ。
ラスネル : ああ、分かった。

《暗黒世界への洞窟》
エルヘブンの北に暗黒世界への洞窟がある。
炎、水、命、3つのリングを奉げると通路が開いた!

マーサの声が聴こえる。
マーサ : ラスネル、ラスネル……。ついにここまで来てしまったのですね……。
ラスネル : ああ、母さんだけに全てを背負わせるわけにもいかない。
マーサ : ラスネル、お前はこの母が想像した以上に逞しく成長したようです。もう戻れとは言いません。今はただあなたがたの力を信じる事にしましょう。そしてこれがこの母にできる精一杯の事……。どうか母からの贈り物を受け取ってください。
賢者の石を手に入れた
マーサ : 頑張るのですよラスネル……。

これまでにないような強敵の棲むダンジョンを進む。

《ミルドラースのダンジョン》
マーサがいた。
マーサ : ああ……。ラスネル……。ラスネルですね……。母はどんなにあなたに会いたかった事でしょう……。私が攫われたあの日以来、あなたの事は考えぬ日はありませんでした。
ラスネル : 母さん! ついに会えたね!
ベリンカ : お母さん、ラスネルの妻のベリンカです。
ラシーム : 婆ちゃん。 カームベル : はじめまして、お婆ちゃん。
マーサ : おお、私の可愛い私の孫達…。
ラスネル : 俺、母さんに感謝している事があるんだ!
マーサ : 可愛いお嫁さんを石から戻した事ですか?
ラスネル : 父さんから僕に変な名前を付けられそうになった時に、ラスネルって名前を付けてくれた事さ。
マーサ : おほほ、あの時は私も必死で別の名前にしようとしました。
ラスネル : トンヌラという名前だっら、一生馬鹿にされ変態とかになってたかも知れなかったよ。
魔物が現れた。
ザシュ!
ラスネルは倒した。
マーサ : ラスネル……。なんと逞しく成長した事でしょう……。
ラスネル : うん、ベリンカをヒィヒィ言わせて満足させられるし、子供も二人できたしね。
エローラ : んまぁ…。
マーサ : 今こうしてあなたに会っている事が、まるで夢のようです……。もうこの母はなにも思い残す事がありません。さあ、下がりなさい……。
マーサはラスネル達を自分から離した。
ラスネル : なにをする気だい、母さん?
マーサ : ラスネル。大魔王ミルドラースの魔力は、あまりに強力です。せめてせめて、この私がこの命に換えてもその魔力を封じてみせます。
ラスネル : なんだって!?
マーサのエナジーが放出する!
マーサ : 全知全能の神よ、我が願いを聞きたまえ……。我は偉大なる神の子として、エルヘブンの民なり……。神よ! この命に換えて邪悪なる魔界の王ミルドラースの……。
マーサのエナジーが大きく乱れる!
マーサ : ミルド……ラースの…ま、まりょ……く…を……。
マーサは倒れた。
ラスネル : 母さん!
マーサ : はあはあ……。こ、こんなはずは……。そ、それ程までにミルドラースの魔力が……。はあはあ……。か、神よ……私の可愛いラスネルのため、今ひとたび私に力を……。
ラスネル達は回復した。
パパスの霊が現れた。
パパス : マーサ……。マーサ。もうよい。お前は充分によくやった。
パパスは赤ん坊を抱えている。
マーサ : あ、あなた!
パパス : どうやら私達の子は、私達を超えたようだ。子供達の未来は子供達に託そうではないか。さあマーサ 、こっちへおいで。
マーサ : はい、あなた……。
パパス : エローラさんというのかね? わしが手に抱くこの子は君のおなかの中で死んだ子、ラスネルと君の子だ。こちらの世界でわしが面倒を見るから心配せぬよう…。
エローラ : ええっ!? …お願いしましてよ、お父様。
パパス : ラスネルよ。私達はいつまでも、お前達を見守っている。頑張るのだぞラスネル。まずは、顔が引き攣っているベリンカちゃんの説得を頑張るがいい。
エローラは一時だが子供の笑顔を見れ、感激に涙を流した。
パパス、マーサ、エローラの子の霊は天に昇った。

ベリンカ : ラスネル、説明してくれる!
エローラ : なにを勘違いしているのか知らないけど、私と彼の子はあなた達が結婚する前に授かったもの。あなたにとやかく言われる筋合いはなくてよ。
ベリンカ : …確かに私と結婚する前のラスネルが、他の女性と関係がなかったなんてあり得ない話よね。(あんなにエッチでエッチでエッチだったんだから。)
エローラ : よろしくて?
ベリンカ : うん。

《ミルドラースの部屋》

ミルドラース : ついにここまで来たか。伝説の勇者とその一族の者達よ。
ラスネル : ああ、来てやったぜ。
ミルドラース : 私が誰であるか、そなた達には既に分かっておろう。魔界の王にして王の中の王ミルドラースとは私の事だ。気の遠くなるような長い年月を経て、私の存在は既に神をも超えた。もはや神の封印を解くのにエルヘブンの民の力など要らぬわ。さあ来るがよい。私が魔界の王たるゆえんを見せてやろう。
ミルドラースとの戦闘が始まった。

ミルドラースを倒した!

ミルドラース : 流石だな、伝説の勇者とその一族の者達よ。しかし不幸な事だ……。なまじ強いばかりに、私の本当の恐ろしさを見る事になるとは……。泣くがいい。叫ぶがいい。その苦しむ姿が私のなによりの奉げ物なのだ。勇者などという戯けた血筋を、私が今ここで絶ち切ってやろうっ!!

邪悪な巨体となったミルドラースとの戦闘が始まった。

ミルドラースを倒した!

ミルドラース : 我が名はミルドラース……魔界の王にして王の中の王。そ、その……私が……敗れる……とは……。
ミルドラースの体が消えていく…。

《天空の城》
Mドラゴン : 我が名はマスタードラゴン。世界の総てを統治する者なり。伝説の勇者ラシームとその父ラスネル、そしてその一族の者達よ。そなたらの働きで、世界に再び平和が訪れた。心から礼を言うぞ。……と、堅苦しい事はなしにしよう。私も長く人間をやっていたせいか、こういう言葉遣いは疲れてしまうのだよ。
天空人 : マ、マスタードラゴン様!
Mドラゴン : わっはっはっはっ。まあよいではないか。さてラスネルよ。地上では懐かしい人々がそなたらの帰りを待っている事だろう。私がそなたらを送り届けてやろう。久し振りに人間界も見てみたいしな。では一足先に外で待っておるぞ!

天空人の激励を受けながら城の外へ向かう。

Mドラゴン : おお、やっと来たか。さあ、私の背中に乗りなさい。しっかり掴まっているのだぞ!

マスタードラゴンは超スピードで移動する。

《エルヘブン》
長老A : そうですか……。ではただ一度切りとはいえ、マーサ様に会ったのですね。
ラスネル : ああ、懐かしい匂いだったよ。
長老B : マーサ様のその時の嬉しそうな顔が目に浮かぶようです。
ベリンカ : あっ、家族写真を撮れば良かったね。
長老C : ラスネル、あなたの母上マーサ様を私達はとても誇りに思います。
長老D : マーサ様はこれからもきっと、あなた達の心の中で生き続けてゆく事でしょう。

《ラインハット》
ヘンリー : しかし驚いたなあ。ラスネルの息子が伝説の勇者だったとは……。鳶が鷹を産むとはこの事だったか!
マリア : まあ、あなたったら。そんな事を言うとベリンカさんに悪いですわ。
ヘンリー : おっと、そうだったな。
ラスネル : おいおい、俺には悪くないのかよ。
ヘンリー : 全くベリンカさんはラスネルには過ぎた奥さんだ。
ラスネル : なんだかヘンリー、急に偉っそうになったが、あの事をばらしてもいいんだな?
ヘンリー : う…それは困るが、ばらされて困る事が多いのはラスネルのはずだぜ。
ベリンカ : 色々聞かせてー。私ぃ、ラスネルの全てを知りたい。
ヘンリー : わっはっは、奥さんにはとても話せないなー。ともかく世界が平和になり、我がラインハットの国民も大喜びだよ。オレもラスネルの友人として鼻が高いぞ。お前とは本当に長い付き合いだったな。これからも仲良くしてこうな。
ラスネル : ああ、お互いの秘密をばらさないようにな。

《サンタローズ》
ベリンカ : この村も元通りになるといいね。

女僧侶 : ようこそお帰りなさい。サンタローズの村に。ラスネルさん、あなたがパパスさんとこの村から出かけていった日、あの日の事をつい昨日の事のように覚えています。まさかあの日以来、二人共帰らなくなるなど誰が思ったでしょうか……。しかし今、あなた方はこうして帰ってきてくれました。しかも世界平和というお土産まで持って……。
女僧侶は飛び跳ねる。
女僧侶 : わーい、嬉しいなあっと! ラスネルが帰ってきた! わーいわーい!
ラスネル : 喜んでくれてありがと。
女僧侶 : …あれ…なんだかあなたは私の処女を奪った人に似てる…。
ベリンカ : どういう事!?
ラスネル : ははは、いつの話っすか?
女僧侶 : 20年以上前…そうね、あなたは子供のはずよね…。

《サラボナ》
ルドマン : わっはっは。やあ、愉快愉快! 魔界の王を倒し、世界に平和を取り戻してくれるとはな。流石、ラスネルとその子供達じゃ。わしが見込んだだけの事はあるな。これであの時エローラと結婚してくれていればと思うが、それは言うまい。
エローラ : 言ってるじゃない、パパ。
ラスネル : その話ですけど、あの時、結婚はしなかったですけど、エッチだけはしておきました。
エローラ : ラスネル君!
ルドマン : わっはっは、相変わらず冗談がうまい。ともかく今日程嬉しい日はないぞ! やあ、愉快愉快! …と言うとでも思ったかね、ラスネル?!
ラスネル : は?
ルドマン : 薄々感じてはいたのだが、結婚前の夜、ラスネルはエローラを抱いたのではあるまいか?
ラスネル : うぐっ…今回に限って冗談として受け取ってもらえないなんて…。
ルドマン : わしからは一国の王に対して強くは言えぬが、誠意ある対応を願いますぞ。

《山奥の村》
ダンカン : そうかいそうかい。魔界の王をやっつけてしまったのか……。それはともかく、ラスネル達親子4人がこうしてわしに会いに来てくれたんだ。こんな嬉しい事はないぞ。積もる話もあるし、今日くらいはゆっくりしていけるんだろう?
ベリンカ : それが、お父さん……。
ダンカン : なんだって? グランバニアでは人々がラスネルの帰りを待ち侘びてる? そうか……。ラスネルはグランバニアの王様だったな。
ラスネル : 今や王の中の王だ。
ダンカン : よし分かった。ラスネル、早くグランバニアに帰ってあげるといいぞ。
ベリンカ : お父さん、また会いに来るからねっ。
ダンカン : 会いに来るのはいいが、ラスネルと喧嘩して家出してくるんじゃないぞ。どうも、わしはラスネルにピッタリくっついている隣の美人が気になってならん。
エローラ : ほーっほほほほ。
ベリンカ : う…。でもびっくり。今にして思うとラスネルがこんなにも逞しくなるなんて……。ずっと昔二人でお化け退治をした頃は、全然頼りなかったのにね。私の手を握って目を瞑ってるだけだったのに。
ラスネル : そうだったな、ベリンカのスカートの中とかが見える時は薄目だったけど。

《グランバニア》
兵士 : あ! ラスネル王! お帰りなさいませ!
サンチョ : ぼ、坊ちゃん。いえラスネル王! やっと帰って来れました! この度のご活躍、このサンチョどれ程嬉しかった事か……。その昔、先代パパス王とまだ赤ん坊だったラスネル王を連れてこの城を出た時……。まさかこんな日が来ようとは夢にも……。うっうっうっ……。
ラスネル : 今や王の中の王だ。
サンチョ : さあラスネル王、皆が待ち兼ねていますぞ。

ラスネルはグランバニアの国民に激励を受ける。

どこからともなく不思議な声が聞こえる
女の声 : 見てくださいあなた、子供達のあの幸せそうな顔を。
男の声 : ああ、見ているとも。彼らは私達の叶えられなかった夢を叶えてくれた。さあ、こっちへおいで。
女の声 : はい、あなた……。
男の声 : あの世でもパフパフとかができるとは思わなかった。わっはっは。

アンディはラスネルを誘い出す。
アンディ : キミに最後のお願いがあるんだ。
ラスネル : なんだ?
アンディ : エローラさんを、お嫁さんに貰って欲しいんだ。キミと一緒に行動するエローラさんは、とても幸せそうだ。僕は一生それを見ていたい。
ラスネル : おいおい、俺にはベリンカがいるんだぜ。まあ、できる事なら、エローラさんも欲しいが。
アンディ : キミは今や、王の中の王。二人と結婚する事くらいできるはず。
ラスネル : それもそうだな…。一夫一妻から法律を改正しよう。
カームベル : 私は構わないわ、お父さん。
ラスネル : こら、大人の話を聞いてたのか?
ラシーム : エローラさんは僕のもう一人のママなんだから…。
ベリンカが現れた。
ベリンカ : …ホントはラスネル君を独占したいんだけど。彼女の悲しみは私にも痛いほど分かるの。もし、結婚の前、ラスネル君に夜這いを掛けられて妊娠して、エローラさんと結婚されたとして…。今のエローラさんと同じ境遇になったら…。
ラスネル : ベリンカのOKが出れば万事解決。さて、一夫多妻を実行するか。
ベリンカ : なによ、もう少し考え込んでもいいんじゃなーい?
ラスネル : うーんうーん、やっぱり一夫多妻は実行。
ベリンカ : 考え込む振りしないで…。それから、一夫二妻までよ。
カームベル : ほーほほほ、お父さんなら二の部分を百とか千にしそうね。
ラスネル : 親をからかうもんじゃない。それに、その程度の数字じゃないぞ。はっはっは。
エローラが現れた。
エローラ : ふふん、そうと決まれば私との結婚式をしていただきたくてよ。
ラスネル : もちろんさ。
エローラは至福の笑みを浮かべた。
ラスネル : …そんな顔、初めて見るよ。
エローラ : 今までが、とても辛かったから…。私との結婚式は、ベリンカさんより盛大にお願いしますわ。ほーっほほほほ。

ラスネル王の結婚式と聞き、グランバニアの国は再び歓喜に溢れ返った。

《ラスネルとエローラの結婚式場》
ヘンリー : お前の結婚式に二度も呼ばれるとはな。

ラスネルとエローラの結婚式は盛大に行われた。
そして…。

《新夫婦の部屋》
エローラ : 新婚旅行は天空の城へ行ってみたくてよ。
ラスネル : 分かったぜ。
ベリンカが現れた。
ベリンカ : 1つお願いがあるんだぁ。私は二人の結婚は認めたけど、エッチはして欲しくないの。いいかなー?
ラスネル : おいおい、冗談のつもりかよ。
エローラ : 結婚して私を抱かないなんて罪ですわ。ほーっほほほほ。
ベリンカ : 言ってみただけよ…。

ラスネルとエローラは天空の城を訪れた。
《天空の城》
エローラ : 結婚式の後、パパに聞かされましてよ。パパとママは私の本当の両親ではなくて、天から降ってきた赤ん坊の私を育ててくれたのだと…。
ラスネル : それじゃ、エローラも天空の血を…。

ラスネル達は天空の城を観光する内に、肖像画を見つけた。
ラスネル : あれっ、エローラにそっくりだ。絵のタイトルは「女勇者ジュメルダよ永遠に」か。
エローラ : もしかして、私のご先祖様かも知れなくてよ。私に負けず美しいですわ。
ラスネル : ベリンカの先祖でもあるんだろ。
エローラ : 私との新婚旅行で、その名前は禁物ですわ。

《天空の宿》
エローラ : とても綺麗な部屋でしてよ。二人の初夜に相応しい…。
ラスネル : では早速…へへへ。


こうして二人目の妻を娶{めと}ったラスネルは、正妻と仲良く?暮らし、二人目の勇者を誕生させたという。


FIN.

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